学生にとって「大学受験」は、将来の方向性を決める重要なイベントです。そのため、大学受験を控える子どもに対して、親ができるサポートは多岐にわたります。しかし、一方で子どもへ逆効果になるサポートもあるため注意が必要です。
そこで今回は、大学受験を控えた子どもにできる親のサポートを解説します。サポートに対する親の心得から、子どもへのNGワードまで幅広く紹介するため、大学受験を控える親には参考になる内容です。本記事を読んで、大学受験で不安を抱える子どもをサポートしてあげましょう。
Contents
大学受験は子どもに大きなストレスを与えます。それゆえ、親ができるサポートはさまざまです。ここでは、親が子どもにできる具体的なサポート内容を説明します。
大学受験を控える子どもをサポートするには、親が入試制度の仕組みを理解しなければいけません。受験の全体像を把握しなければ、効果的なサポートができないためです。
なお、大学受験は以下のスケジュールで進みます。
希望する大学のホームページを確認し、学校案内やパンフレットなどで情報収集する時期です。大学の特性、教育理念など、志望大学がどのような学校なのかをリサーチします。
オープンキャンパスや夏期講習などに積極的に参加する期間です。オープンキャンパスでは、実際に大学の雰囲気が感じられ、夏期講習では苦手な教科を克服するなどの学習を進めます。
学校推薦型選抜・総合型選抜の出願や試験、および、大学入学共通テストの出願、一般選抜入試の出願準備を行う時期です。
大学入学共通テスト入試、一般選抜入試を行います。
上記のスケジュールを理解しておけば、何を準備するべきか、何に注意すべきかが明確化され、子どもへのサポートがより具体的になるでしょう。
子どもの目標や夢を実現する大学を見つけるには、さまざまな情報源から情報収集する必要があります。情報が多ければ多いほど、子どもに適した大学かどうかが判別できます。
具体的には、志望大学の公式サイトやパンフレットを利用すれば、大学の特性や教育内容のリサーチが可能です。
大学受験は子どもに大きなストレスがかかるため、精神面や健康面のサポートがとても重要です。まずは精神的なケアですが、子どもの表情や話し方、行動などから子どもがストレスを感じているかの見極めが大切です。そのため、子どもの話を真剣に聞いてあげる、一緒にリラクゼーションを図るなどの行動が求められます。
また、受験期間中は多くの時間を勉強に費やすため、健康面でのサポートも欠かせません。栄養が偏らないようにバランスの取れた食事を摂ることで、子どもの体調維持につながります。
子どもが集中できる学習環境を整えるのは、親ができるサポートのひとつです。快適な学習環境がなければ、学習の質が低下してしまうかもしれません。
学習環境を整える具体例は以下のとおりです。
周囲の雑音が入ると集中力が散漫になり、効率的な学習ができません。子どもが集中して学習できる静寂な環境を整えるのもサポートの一環です。
暗い環境下では視覚的なストレスが増加し、学習に集中できません。明るい照明を用意することで、視覚的なストレスの軽減につながります。
こうした学習環境の改善については、子どもと一緒に話し合い、最適に学べるには何が必要かをともに考えることが大切です。
受験を控える子どもは、精神的に不安定になりやすいため、サポートする親も少なからず気苦労はあるものです。では、サポート側に回る親はどのような心得を持っていればよいのでしょうか。ここでは、子どもをサポートする親が持つべき心得を3つ紹介します。
受験生である子どもとの距離感は、多くの親が悩む問題です。試験の合格を共通目標にしたうえで、基本的には子どもの取り組みを静観するスタイルが望ましいでしょう。
親は、いつでも子どもを全力でサポートしたいと考えています。しかし、大学受験を控えた子どもは、主体性や自己決定力を育てる大切な時期でもあります。親がいつまでも過度に介入しすぎると、子どもの自主性や自己決定能力を阻害してしまうかもしれません。
したがって、親は子どもが望む範囲でのサポートに留めたほうが、子どもの学習意欲や自主性の向上につながります。
親からの過度なプレッシャーは、子どものストレスを助長させる要因となり得ます。親としては子どもの状況を理解し、過度なプレッシャーは避けるべきでしょう。あまりにもプレッシャーをかけてしまうと、モチベーションの低下や親子関係にも悪影響をおよぼします。
大学受験の最中に親が発する言葉は、子どもの心情やモチベーションに大きな影響を与えます。ここでは、親が子どもに発してはいけないNGワードをいくつか紹介します。
親の立場からすれば、子どもを勇気づける言葉かもしれません。しかし、子どもは自分の努力が認められていないと受け取るため、「頑張りなさい」という言葉は控えるべきでしょう。
頑張りなさいと同様に、子どもへの期待を表す言葉かもしれません。しかし、「勉強しなさい」は子どものやる気を低下させるNO.1ワードともいわれています。勉強を親から強制されることは、学習意欲を著しく低下させるため、この言葉は使わないようにしましょう。
失敗を前提とした言葉は、成功を信じていないと受けとられてしまいます。また、絶対に失敗できないと過度なプレッシャーをかけることにもつながるため、失敗から逆算する言葉は控えましょう。
金銭面を強調すると、子どもは精神的に追い詰められてしまいます。なぜなら、金銭面においては、基本的に親に優位性があるからです。
親が子どもを支える言葉は大きな力となりますが、一方で子どもの心を深く傷つける言葉にもなり得るため、発する言葉には十分注意しましょう。
親から受け取った言葉やサポートは、大学受験中の子どもに大きな励みとなるものです。とくに「ありがとう」や「お疲れさま」といった承認の言葉は、子どもの努力を認め、自信を与える力があります。たとえば、一日勉強したあとに「お疲れさま。今日も一日頑張ったね」と声をかけられると、自分の努力が認められたと感じ、次へのモチベーションにつながります。
そして、親からのサポートで嬉しいと感じるのが「食事のケア」ではないでしょうか。長時間の勉強は体力を大きく消耗するため、バランスのよい食事を用意してくれると、健康な状態で勉強を継続できます。
以上のように、親からの言葉やサポートは大学受験を戦う子どもにとって心強い支えといえるでしょう。
本記事では、大学受験に向けた親の役割について解説しました。記事内では、親ができるサポート方法から親の心得、さらにはNGワードにいたるまで幅広く紹介しました。また、親からの励ましの言葉や適切なサポートが、受験生の大きな支えになることも説明しています。
現在、子どもの大学受験に不安を抱える人は今回の記事を参考に、子どもの成功を願いながら適切な距離感でサポートしてあげましょう。