受験生は、どのくらい睡眠時間を確保すべきかご存知でしょうか。適切な睡眠時間を確保しないと、記憶の定着が低下して効率的に勉強を進められません。良質な睡眠を確保するには、適切な睡眠時間と睡眠方法を知っておく必要があります。そこで今回は、受験生の適切な良質な睡眠の取り方について解説します。
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受験生の理想的な睡眠時間は、6時間半~7時間半です。なぜこの時間が理想的な睡眠時間なのかは、レム睡眠とノンレム睡眠が関係しています。記憶が定着するのに理想的な時間が、6時間~7時間に収まるため、受験生は毎日の睡眠時間を意識する必要があります。レム睡眠とノンレム睡眠は90分~120分のサイクルで交互に切り替わり、睡眠開始時と目覚める直前では眠りの深さに差があります。
基本的には、睡眠開始時前半はノンレム睡眠のほうが長くなり、目覚める直前ではレム睡眠のほうが長くなります。このバランスを維持するには6時間半~7時間半眠る必要があり、極端に睡眠時間が少なくなりすぎると、睡眠バランスが崩れ記憶の定着率が下がります。
受験生の理想的な睡眠時間は、6時間半~7時間半です。一方、受験生ではない高校生の理想的な睡眠時間は、8時間~10時間といわれています。アメリカ国立研究機関の調査では、高校生の年代は8時間~10時間寝るのがよいとされており、受験生の理想的な睡眠時間と少し差があります。
受験生の理想的睡眠時間が少し短い理由は、8時間以上も毎日睡眠すると受験勉強が追いつかないためです。6時間半~7時間半の睡眠時間が確保されていると、勉強で必要な睡眠時間は確保されているといえるため問題ありません。受験を控えていなければ、8時間~10時間眠る必要があります。
理想的な睡眠時間を紹介しましたが、実際の高校生の睡眠時間はどのくらいなのでしょうか。実際の高校生の睡眠時間は、平均7時間です。実際の高校生の睡眠時間は、理想の睡眠時間よりも少ないことがわかります。
大人の睡眠時間も世界基準でみると、日本の睡眠時間はものすごく低いです。大人は仕事のために睡眠時間を削っている方が多く、寝不足の状態で毎日仕事をしています。大人や子供に限らず、1日のパフォーマンスを最大限に発揮するためには、理想的な睡眠時間を確保することが大切です。
睡眠の質を高めると記憶の定着率が上がるだけでなく、ほかにもメリットがいくつかあります。なぜ睡眠の質を高める必要があるのか理由をみていきます。
きっちり睡眠を取ることで、身体の回復ができます。何時間も椅子に座り続けると、ご自身が思っている以上に体に負担がかかります。仕事や勉強で疲労が溜まっているため、夜はきっちり寝る必要があります。規則正しい生活を送ることで、体のだるさがなくなります。
また、身体だけでなく脳も回復します。睡眠時間が少なすぎると脳が回復せず、ボーっとした状態で勉強しなければいけません。今日はやる気がでないなと感じる場合は、睡眠時間が少ないか、睡眠の質が悪い場合があるため睡眠時間を見直しましょう。
睡眠時間を確保すると、記憶の整理がされます。学んだ知識は、寝ているあいだに整理されます。そのため、睡眠時間が少ないと学んだ知識が整理されず、記憶に残りづらい状態のため勉強効率が下がります。
また、暗記系の勉強は寝る前に行うと記憶に残りやすいです。英単語や古文の単語、歴史の年号などは寝る前に覚えるのがおすすめです。
きちんと睡眠時間を確保しないと、集中力が低下します。勉強の量だけでなく、勉強の質も重要なため、毎日集中力を維持して勉強しなければいけません。日々集中力を維持して1年間勉強すると、理解する内容にものすごい差が生まれます。効率的に勉強を進めるためには、勉強の量と勉強の質を意識しましょう。
集中力を維持するには、睡眠時間の量だけでなく寝るタイミングも重要です。夜更かしして寝るタイミングが遅いと睡眠の質が悪くなるため、寝る時間も毎日同じ時間に寝る必要があります。毎日同じ時間に寝るためには、晩御飯やお風呂に入るタイミングも毎日同じ時間にすると、規則正しい生活が送れます。
睡眠時間の量だけでなく、睡眠の質も重要です。睡眠の質が悪ければ、いくら寝ても集中力が続きません。効率的に勉強するためには、睡眠の質を上げる方法を知っておくのが重要です。ここでは、質のよい睡眠をとる方法について解説します。
睡眠の質を向上させるために、就寝前のスマホの使用は避けてください。寝る直前にスマホを触ると、液晶ライトの光で脳が活性化し睡眠の質が悪くなります。またスマホを夜に触り続けると、勉強のストレスから長い時間触り続けてしまう可能性があります。
寝る1時間前は、スマホを触ってはいけません。うっかり触ってしまう方は、スマホのロック機能を活かして、就寝1時間前には使用できなくする方法がおすすめです。受験期は勉強が最優先であるため、睡眠の質も考えて生活を送りましょう。
お風呂は、就寝2~3時間前までに済ませておきましょう。お風呂に入ると血流がよくなり集中力が高まるため、布団に入ってもなかなか眠れなくなります。勉強が終わってからお風呂に入る受験生も多いですが、寝る時間から逆算してお風呂に入ってください。
お風呂に入る時間を決めておくのが重要です。受験勉強を進めていると、集中しすぎてお風呂に入るタイミングを逃してしまうこともあります。しかし、あらかじめお風呂に入る時間を決めておくと、毎日同じ時間にお風呂に入れます。勉強計画の中に、お風呂に入る時間も書いておくと全体のスケジュールも立てやすいです。
食事をとるタイミングも重要で、就寝3時間前には済ませましょう。食事を食べるタイミングが遅いと、消化に時間がかかり睡眠の質が下がります。食べ物が消化するまでに2~3時間必要とされるため、前もって食事を済ませておく必要があります。
夜遅くに夜ご飯を食べてしまうと、睡眠の質が悪くなるだけでなく、朝起きた時に気分が悪くなったり食欲がなくなったりする場合があります。健康リズムが崩れると受験勉強に支障がでるため、食事の食べるタイミングも意識して生活しましょう。
寝る時間は、毎日同じにしてください。寝る時間を同じにすると、深い睡眠を取れるため脳の疲労物質を効率的に排出できます。また、就寝時間は夜の22時~0時の間に眠るのがよく、これよりも遅いと深い睡眠を取れません。
昼寝をする際は、夜の睡眠時間に注意する必要があります。昼寝をすることは悪いことではありませんが、昼寝の時間やタイミングを間違えると夜の睡眠の妨げになる可能性があるため注意が必要です。昼寝をしても30分程度眠る程度にして、夕方までにお昼寝を済ませておきましょう。
睡眠の質を上げるには、規則正しい生活を心がける必要があります。睡眠時間や睡眠のタイミングだけを意識するのではなく、食べる食材も意識すると睡眠の質が上がります。睡眠の質を上げるためには大豆や魚、お肉、バナナ、魚介類など、主食となるものをバランスよく食べなければいけません。同じものばかり食べていると、睡眠に必要な栄養素が足りない場合があります。毎日違うメニューを食べるように心がけましょう。
また、適度な運動を行うと睡眠の質を上げられます。勉強をしたあとに体を動かすことで、固まった筋肉がほぐれ血流がよくなります。受験期間中は運動不足になりがちなため、適度な運動を心がけるとよい睡眠ができるでしょう。図書館などで勉強したあとは、ジョギングなどをしながら帰るのがおすすめです。
睡眠のサイクルをリセットさせるために、朝起きたら日光を浴びましょう。太陽の光を浴びることで体内時計がリセットされ、生活リズムが整います。太陽の光を浴びずに1日中部屋にこもって勉強し続ける方もいますが、日光を浴びないと集中力ややる気が上がりません。朝起きたら窓を開けて、外の空気を入れることをおすすめします。
寝具は、ご自身に合うものを選びましょう。ベッドや枕が硬すぎたり、布団が重すぎたりすると快適な睡眠ができないためです。夜何度も目覚めてしまう方は、寝具を見直してください。睡眠の質を向上させるには、一つだけを行えばいいというものではありません。上記の内容を参考にして、快適な睡眠を心がけてください。
質のよい睡眠が取れれば、あとは効率的に勉強するだけです。ここでは、どのようにして効率的に勉強を進めていくべきか解説します。
勉強時間を効率的に進めるためには、隙間時間を上手に活用する必要があります。たとえば、学校に通う通勤時間やトイレに行く際なども勉強時間に充てます。電車やバスなどの通勤時間などは、待ち時間に暗記系の単語を覚えます。毎日10分しか待ち時間がないとしても、年間を通せばものすごい勉強時間になります。
また、自宅のトイレの時間も活かせます。トイレは1日に何回か行くため、トイレの壁に年号表や英単語など覚えたいものを貼っておくだけで勉強になります。トイレに行く際に何を覚えるかルールを決めることで、少しずつ単語を覚えていけます。
ほかにも待ち時間には、英語のリスニングも勉強できます。英語のリスニングは何回も聞くことで耳が慣れてくるため、繰り返し聞かなければいけません。録音したものを待ち時間に聞くことで、効率的に勉強できるでしょう。学校の休み時間などを活かして、効率的に勉強を進めてください。
時間ごとの学習計画を立てることも重要です。とくに休日は、時間ごとの学習計画を立てておかないと何から勉強したらよいかがわかりません。学習を効率的に進めるために、自分の理解度を明確に知る必要があります。
優先順位を考えて計画すると、今からすべき勉強内容を把握できます。基礎的な内容を覚えていなければ発展問題を勉強しても理解できないため、計画的に勉強を進めてください。
計画は、時間ごとの計画と週ごとの計画に分けて考えましょう。勉強の計画方法としては、まず1週間の計画表を週の日曜日に考えて、曜日ごとの勉強計画を大まかに考えます。勉強を毎日進めていくなかで理解度に応じて、1日の始まりに勉強する内容を変えます。計画に修正を加えることで、勉強しなければいけない単元に集中できるため効率的に勉強ができます。
また、時間ごとに計画を立てることで勉強のモチベーションを維持できます。おおまかな計画だけでは今何をすべきか理解しづらいため、時間と週ごとの2つに分けて勉強計画を立てましょう。
目標は、細かく立てましょう。行きたい大学だけを目標にするのではなく、その大学で何を勉強したいのか具体性を持って目標を立てます。具体性のある目標は、大学に入学したあとのことをイメージできるため、勉強のモチベーションが自然と上がります。具体性のない目標では、大学入学後のイメージがわかないためモチベーション向上につながりません。
また、勉強の達成する目標を細かく設定してください。目標を細かく設定するには、定期的に模試を受けることが望ましいです。模試の悪かった部分を克服するために、きちんと計画を立てて勉強するのが効率的です。模試の結果からご自身の弱点を見極め、単元ごとに細かく目標を立てると点数が上がります。毎回行う模試の結果を気にしながら、目標と計画を修正しましょう。
受験生に必要な睡眠時間について解説しました。受験生は、勉強時間を確保することを意識しすぎて、睡眠時間を削る方が多いです。睡眠時間を削ってしまうと、集中力が低下したり体調が悪くなったりするため、効率的に勉強できません。
単に勉強をするだけでなく、快適な睡眠を意識することも大学受験生にとっては重要です。本記事で紹介した内容を参考に、質のよい睡眠を心がけて受験勉強を頑張ってください。