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国公立大学の学費はどのくらい?私立大学との比較から見えるコストパフォーマンスとは

  • 2024.03.04
  • その他

国公立大学の費用は私立大学よりも安いですが、いったいどのくらい安いかご存じでしょうか。学校や学部によっても費用は異なるため、どのくらい費用がかかるか知っておくことは重要です。そこで今回は、国公立大学と私立大学の費用の違いについて解説します。費用の安さで選ぶ際の注意点も解説しますので、大学選びの参考にしてください。

国立大学に通う場合に必要な費用とは?

国立大学に必要な費用は、授業料だけではありません。授業料以外にもいくつか費用がかかるため、知らずに入学すると思ったよりも高いと感じるでしょう。具体的に、授業料以外にどのような費用が発生するか確認してください。

国立大学は標準額が定められている

国立大学の標準額は文部科学省によって定められており、国立大学の費用の基準を知るには標準額を確認する必要があります。具体的に、どのような標準額が設定されているかみてみましょう。

国立大学の標準額

  • 入学料
    国立大学に入学した際に支払う費用のことです。国立大学に合格してから、1~2週間以内に支払うことが多いです。国公立と私立を併用で受けている方で、私立大学に合格した際は先に私立の入学金を支払わなければいけない場合があります。
  • 検定料
    国公立大学を受験する際は、入試検定料を支払う必要があります。受講する教科数や前期、後期などによっても費用が異なります。
  • 授業料
    授業料は、標準額によって定められているため、国立大学の費用は、全国ほぼ同じと考えても問題ありません。しかし、標準額の20%以内の場合は標準額と異なる費用を設定してもよいとされているため、大学によってある程度は費用に差があります。
    このほかにも、設備費用が必要な場合がありますが、設備費用はそれほど高くありません。そのため標準額を確認する際は、「入学料」と「検定料」、「授業料」の合計と考えればよいでしょう。

学費以外に必要な費用

国立大学に入学する際は、学費以外にも必要な費用があります。学費以外の費用は予想よりも高くなってしまうこともあるため、大学に入学する前からどのくらいの費用がかかるかある程度確認しておきましょう。

生活費・居住費・交通費

学費以外に生活費や居住費、交通費がかかります。下宿される方は家賃や食事代などがかかるため、自宅から通う方よりも多くの費用が必要です。家から通学する際は、下宿先の家賃などは必要ありませんが、電車やバスなどを利用する場合は交通費がかかります。

教材・書籍・パソコン購入費

大学に入学すると、教材やパソコンなどを購入する必要があります。学校指定の教材やパソコンを購入しなければいけないため、思ったよりも費用がかかります。学校指定のパソコンを購入する際は15万以上もかかる場合があるため、あらかじめ確認しておくことをおすすめします。

交際費

大学生になると遊びに行く機会が増えるため、交際費が必要になります。遊びに行くだけでなく、就職活動などを行う際も費用がかかります。交通費などでお金がかかるため、アルバイトをして交際費を貯める方も多いです。

国立大学にかかる学費の平均

国立大学にかかる学費の平均は、検定料は大学入試共通テストが3科目以上で18,000円、2科目以下の受験であると12,000円です。大学入学共通テストと2次試験の両方を受けた場合は35,000円です。
国立大学に4年間通う場合と6年間通う場合では、授業料が異なります。2年間多く授業を受けるため、その分の授業料が必要です。4年間通う場合と6年間通う場合では、100万円ほど違うと考えればよいでしょう。

項目授業料入学金検定料合計
4年間在学2,143,200円282,000円35,000円2,460,200円
6年間在学3,214,800円282,000円35,000円3,531,800円

参考資料:国公私立大学の授業料等の推移

国立大学と公立大学の学費の差はあまりない

公立大学の費用は次のとおりです。国立大学と公立大学にはあまり差がありません。検定料は大学入試共通テストと2次試験の合計金額を記載していますが、公立大学の場合二次試験の検定料は学校によって少し差があります。しかし、国立大学とそれほど変わらないため、同額にして計算しています。

項目授業料入学金検定料合計
4年間在学2,145,452円391,305円35,000円2,460,200円
6年間在学3,218,178円391,305円35,000円3,531,800円

国立大学と私立大学の学費の比較

私立大学の学費は次のとおりです。

学部入学金設備費授業料合計
理系学部251,029円179,159円
(716,636円)
1,136,074円
(4,554,296円)
1,404,262円
(5,511,961円)
文系学部225,651円148,272円
(593,088円)
815,069円
(3,260,276円)
1,188,992円
(4,079,015円)
医歯系学部
(6年間)
1,076,278円931,367円
(5,588,202円)
2,882,894円
(17,297,364円)
4,890,539円
(23,961,844円)
その他の学部254,836円235,702円
(942,808円)
969,074円
(3,876,296円)
1,459,612円
(5,073,940円)

国公立大学と私立大学の費用を比較すると、私立のほうが圧倒的に費用は高いことがわかります。私立の場合は、文系学部よりも理系学部のほうが費用は高い傾向にあり、合計でも100万円以上違いがあります。理系学部では実験費が含まれているため、文系学部よりも高いです。
また医歯系学部では理系学部よりも費用が高く、総額で比較しても1,500万円以上も医歯系学部のほうが高いです。医歯系学部は実験を多く実施するだけでなく、学校に通う年数が6年間になるため総額が高くなります。
上記の費用は学校によっても異なるため、費用を抑えたい方はいくつか学校を比較するのが望ましいです。

参考資料:令和3年度私立大学入学者に係る初年度学生納付金平均額(定員1人当たり)の調査結果について

国立大学と私立大学の学費を比較する場合の注意点

学費の安いという理由だけで選んでしまうだけだと、大学選びで失敗してしまう可能性があります。そこで、国公立大学と私立大学の学費を比較する際の注意点について紹介します。

単純な学費だけでは比較できない

国公立大学と私立大学は、授業料だけを比較して選んではいけません。大学費用を抑える場合は、大学生活にかかる費用の総額で考え、授業料以外の費用についても計算する必要があります。たとえば、下宿をする場合は、国公立大学よりも私立大学に通うほうが総合的に費用は安くなる場合があります。
一人暮らしをした場合、家賃や食糧費などの総額は1か月あたり10万円を超えることもあり、年間で100万円以上も余分に費用がかかります。下宿して国公立を目指すならば、自宅から私立大学に通うほうが安い場合があります。授業料が安いからといって、国立大学を選べば費用を抑えられるわけではありません。
また、医学部の場合は、国立大学と私立大学で費用に差があります。基本的に医学部の国立大学の費用は350万程度ですが、私立大学の費用は3,000万円以上もかかります。国公立と私立の医学部を比較すると、費用が10倍以上もの差があります。そのため、医学部を目指す場合は浪人してでも国公立大学を目指したほうが、トータル的に費用を安く抑えられます。
国公立大学を目指すことで費用を抑えられる反面、1年間余分に勉強をしなければならないのも事実です。費用を抑えることだけを目的に考えて大学を選ぶのではなく、将来のなりたい職業や大学で学びたいことなど、大学選びの全体を総合して選ぶのが望ましいです。

重要なのは学びたいと思える学校であるか

大学選びで重要なのは、学びたい学問があるかどうかです。学費を気にしすぎるあまり国公立大学に入学しても、その大学に学びたい学問がない可能性があります。大学生活は勉強するための貴重な時間であるため、ご自身が学びたいと思った学問を学ぶべきです。学びたくない学問を勉強しても、途中で挫折して退学する方も少なくありません。
学びたい学問を探すコツとしては、高校で好きだった科目を確認することです。大学生活での学問も高校生活の勉強の延長であるため、高校で好きだった科目を大学で学ぶとそのまま楽しく勉強を続けられます。大学では選択科目なども充実しているため、学部以外の科目も学べることが多いです。一つの学問だけでなく、いろんな内容を学べるのが大学の特徴であるため、受講できる授業をあらかじめ調べておきましょう。
また、受験勉強をする際に、大学に入学したイメージをもつと効率的に勉強を進められます。学びたい学部が決まっていれば、勉強のモチベーションが高まります。理工系学部などで物作りをしたい方は、物理を専攻しなければなりません。そのため、理工系学部への進学を希望すれば、物理のモチベーションが上がりやすいでしょう。
受験勉強は楽しいことばかりではなく、苦しいこともたくさんあります。モチベーションを保ち続けるには、勉強する意味を考える必要があります。そのため、将来のことを意識しないで勉強を進めると、どこかであきらめてしまうかもしれません。費用を意識して大学を選ぶことも重要ですが、ご自身の学びたい学問があるかも十分確認してください。

国立大学の学費に関するQ&A

国立大学の学費は私立と比べると安いですが、支払う金額としては決して安い金額ではありません。国立大学に合格した際は、いつまでに入学金を支払うべきなのか気になる方も多いでしょう。また、国立大学の費用を支払えない場合は、どのようにしたらよいか気になるところです。ここでは、国立大学の学費に関するQ&Aを見ていきます。

学費はいつまでに払えばよい?まとめて支払うの?

学費の支払期限は大学によって異なりますが、多くの大学は前期と後期で支払いが分かれています。大学に合格した際は入学金や授業料、設備費などを支払う必要があり、合格発表を確認してから1~2週間以内に支払うケースが多いです。したがって、最初の支払いは2、3月中に支払うことが多く、きちんと支払うためにもそれまでに費用を準備しておかなければいけません。
しかし、一般入試ではなく推薦入試などで合格した方は合格通知を受けとるのが早いため、11月など早いタイミングで支払うことが多いです。大学入学後は前期と後期に分かれて学費を納入するため、学校が知らせる納入のタイミングまでには費用の準備を進めましょう。
費用を支払わなかった場合は督促状が学校から通知され、その後も学費を支払わず未納の場合は除籍処分になります。支払えない事情がある場合は大学の学生課に相談することで、学費の納入の延長が認められる場合があります。金銭的に厳しい方は、学生課に相談することをおすすめします。

学費の捻出方法はどうする?

大学に通いたいが、どうしても金銭的に厳しいと感じる方も多いです。学費を支払うことが厳しくても、いくつか学費を捻出する方法があります。
大学受験がまだまだ先の場合は、学資保険を検討しましょう。学資保険は月々将来の学費のために貯蓄していく保険で、貯蓄した貯蓄保険を将来受け取れるため学費に困ることはありません。計画的に学資保険を行っていれば、大学費用について心配しなくてよいです。また、学費保険を支払っている保護者が亡くなった場合は、満額の保険金が子供に支払われるため金銭的に支払えないことはありません。
ほかの方法として、奨学金制度があります。奨学金制度は学生に奨学金を貸与する制度であるため、現在学費を準備できなくても問題ありません。しかし、奨学金をどれだけ借りるかが重要で、入学金や授業料、生活費などすべて奨学金に頼ってしまうと将来の奨学金を返済するのが大変になるため注意が必要です。
ほかには、教育ローンがあります。教育ローンとは教育を目的としてお金を借りる制度で、消費者金融などで借りるよりも金利が低く設定されていることが多いです。金銭的に厳しくお金を捻出したい場合は、教育ローンを考えてもよいのでしょう。

まとめ

国公立大学の学費などについて解説しました。私立大学と国公立大学の費用を比べると、国公立大学のほうが安いですが、学びたい学問を考えて大学を選ばなければいけません。費用を抑えたくて国公立大学に通っても、学びたい学問がなければ大学に通っても勉強を続けられないかもしれません。今回紹介した内容を参考に、ご自身の行きたい大学を探してみましょう。

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